「ビブリオバトル入門」第9回(2014年度)

ごきげんよう。SAの曽根です。
30度越えの日が続き、白クマアイスが恋しい季節になりました。
夏バテしないように、体調管理はしっかりね。

さあ、今回はビブリオバトル第9回。
人気企画、古典ビブリオの最終回です。

前回、日本人作家が多かった反動か、今回は外国文学がたくさん登場しました。
さっそく振り返ってまいりましょう。

サロメ (岩波文庫)

サロメ (岩波文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

学問のすゝめ (岩波文庫)

学問のすゝめ (岩波文庫)

Alice in Wonderland (English Edition)

Alice in Wonderland (English Edition)

アドルフ (岩波文庫)

アドルフ (岩波文庫)

人間とは何か (岩波文庫)

人間とは何か (岩波文庫)


チャンプ本は!

(ドドドドドドドドドド ※注ドラムロール)

不思議の国のアリスルイス・キャロルです!おめでとうございます!

原版翻訳本と読み込んだ、本作への愛と努力が評価されたようです。
実際に原版と訳本を持ってきて、「どこのあたりを読んで原本との違いを感じましたか?」という細かい質問にも、臆することなくパパッと的確に答えていたのが印象的でした。
外国文学ならではの楽しみ方を見せてくれましたね。うまい!拍手!

今回は「タイトルも聞いたことない本」が何冊かあったのではないでしょうか。
好きな作家ができたら、全作読破を目指してみるのもいいかもしれません。
作者の人生観の変化を追いながら読書するのも楽しいです。

それではまた来週お会いしましょう!



■S根のひとりごと「外国文学と翻訳」

NHK朝ドラマ「花子とアン」、見ている方も多いのではないでしょうか。
この物語は、ひとりの女性が「赤毛のアン」の翻訳に挑む一代記です。

気になる英単語があると居ても立ってもいられなくなり、夢中で辞書を引きに帰る主人公の村岡花子
清々しいまでの知的好奇心に、勉学へのやる気が高まる、大学生の朝にうってつけのドラマです。

前置きは長くなりましたが、今回の古典ビブリオは外国文学が多かったということで、
外国文学と翻訳についてご紹介します。

いきなりですが…
《S根が独断と偏見で選んだ「この翻訳がすごい!文学」勝手にベスト3—名作編》

1位「アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を

前にビブリオバトルでも紹介されていましたね。
翻訳界では語り継がれる名訳の書。
特に物語冒頭から中盤、また終盤の訳出は見事としか言いようがありません。ため息もの。
原書との読み比べをしてみたい人にはお勧めしたい珠玉の一冊。


2位「絵のない絵本」

絵のない絵本 (岩波文庫)

絵のない絵本 (岩波文庫)

数えられない程多くの人に訳され愛される不動の一冊。
読んでもらえば分かります。
この本の訳は嘘が絶対につけません。実力が出るのだろうなあ。


3位「ベニスの商人

ヴェニスの商人 (新潮文庫)

ヴェニスの商人 (新潮文庫)

シェークスピアを読んだことない人は、ぜひこの機会に。
まざまざと「俺は天才だぞーー!」と見せつけられる一冊になっています。
映画化もされていて、タイトでクールな字幕翻訳も見所です。
とんちの利いた痛快なラストにすっきり!


惜しくも選外・特別賞「アンネの日記 完全版」

アンネの日記―完全版

アンネの日記―完全版

「版違い」をテーマに選出しました。
実は世に有名なのは「短縮版」なんですよね。
この完全版を読むと「え!アンネさんそこまで言っていいんですか!」と赤面必須。
思春期の赤裸々な心情を垣間見られます。

さらにおかわりが欲しいあなたには、こちら。研究版。

アンネの日記―研究版

アンネの日記―研究版

翻訳は短縮されているものも多いので、版に注目してみても面白いです。